北九州市の名所案内「高塔山のかっぱ封じ地蔵」

若松の高塔山を歩いていると、展望台のすぐそばに、ひっそりと小さな祠が佇んでいます。
観光案内にも大きく載ることのない場所ですが、そこには“河童を封じた”という、ちょっと不思議で胸に残る物語が息づいています。
今回は、高塔山の隠れた名所「かっぱ封じ地蔵」を訪ね、その伝承と独特の雰囲気を紹介します。
「高塔山のかっぱ封じ地蔵」
北九州市若松区の高塔山山頂にある「かっぱ封じ地蔵」は、地元の人でも意外と知らない小さな祠です。展望台のすぐ横という賑やかな場所にありながら、祠の前だけは空気が少し変わるような、静かな時間が流れています。
この地蔵には、若松に古くから伝わる“河童退治”の物語が残されています。 かつて若松周辺には池や川が多く、河童が住んでいたと語られています。しかし、河童同士の争いや悪さが絶えず、田畑が荒らされ、村人たちは困り果てていました。そこで人々は地蔵に祈願し、「悪さをする河童を封じてほしい」と願いを込めて祀ったのが、この地蔵の始まりだと伝わります。
さらに、若松出身の作家・火野葦平の小説『石と釘』にも登場することで、“背中に釘を打たれた地蔵”という強烈なイメージが広く知られるようになりました。祠の中をのぞくと、その背中に打ち込まれた釘が今も残されており、伝承の重みを静かに物語っています。
高塔山は夜景スポットとしても有名で、火野葦平が「日本一の夜景」と称したほど。 その絶景のすぐ横に、こんな民話の舞台がひっそりと佇んでいるというギャップが、この場所の魅力をより深くしています。
散策の途中に立ち寄ると、展望台の賑わいとは対照的な静けさに、ふと足を止めたくなるはず。 若松の歴史や伝承に触れたい人、ローカルなスポットを巡るのが好きな人には、ぜひ訪れてほしい小さな名所です。



ななんとも不思議な話ですが、祠の中をのぞくと、お地蔵さまの背には確かに大釘のようなものが打ち込まれています。その存在が、この伝承に独特の“リアルさ”を与えているのです。
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